ミスト栽培とは

戦後、日本の農業は、大きく変わりました。農薬を大量に使用し効率を追い求める工業生産的な農業になっていったのです。この結果、農作物を育てるのに大切な土壌がどんどんと痩せ、力を失ってしまった上に、痩せた土壌から収穫率を高めるため、病害虫予防、除草、成長の制御などに5,500種類以上もの大量の農薬が使われるという悪循環に陥っています。この農薬の大量使用が今、残留農薬や環境汚染の深刻な問題を引き起こし、私たちの命を蝕んでいます。

ミスト栽培は、日本の伝統的な農業の基本となる、有機物をふんだんに持った土壌の活力を生かしながら、根の成長を最大限に促すことによって、植物の成長を活性化し、農薬を使用することなく栽培収穫を安定的に行なうだけでなく、作物が本来持っている味と栄養素を回復することができる画期的な栽培です。

ミスト栽培システムは、ハウス内の高設棚上に、栽培床として約8cmの培土を敷き、そこに植物の苗を定植します。成長し栽培床を貫通した苗の根は空洞になっているミスト槽内に伸長しますが、この根に液肥をミスト噴霧します。ミストの粒子を細かくすることで、空気中での拡散性を高め、効率よく根に栄養と酸素を与えることが出来るのです。

 こうして、温度、湿度、養分、その他の要素について、自在に制御し、植物にとって最高の環境を常に作り出すことができるのです。 ミスト栽培は高設棚上にしか培土を使用しないことから、農地以外の場所でも栽培が可能です。また、液肥の噴霧等の栽培管理は基本的には自動制御されており、長年の耕作経験を有しなくとも栽培を始めることができます。つまり、ミスト栽培は現在の農業が抱える問題を克服し、安全安心かつ「おいしい」作物を広く生産することができる画期的な栽培方法なのです。